スキャナカメラ ScanCAM

**スキャナカメラを作ろう**

CCD基板を改造する。

CCD基板の改造に取り掛かる。

製作工程のうち、最難関の作業です。慎重かつ大胆にやるべし。
白いフラットケーブルがCCD基板から垂直に出ていますので、組み立てるとカメラ取付板にこれがまともに当たり組めません。フラットケーブルが横に出るように、ケーブルのコネクターを外してケーブルをコネクターの端子が付いていた基板のパターンに直接半田付けをしている人たちもいます。コネクターの端子を外すのが大変なのと端子を外した後のパターンにケーブルを半田付けするのも大変なので、変則ではありますが後記のようにコネクターを横へ倒します。倒すとコネクターの側面がコンデンサーに当って倒しきれないのでコンデンサーを移動します。

まずは、フラットケーブルを抜く。後で差し間違いの無いようケーブルと基板に合いマークを書き込む。



半田コテで半田を溶かしコンデンサーを取り外します。。コンデンサーに過度の熱を加えないよう成るべく素早くやる。カッターの刃先をコンデンサーの基部の黒い物の下へほんの少し差し込んでおいて半田コテを当てると半田が熔けると同時にコンデンサーが浮き上がる。片方ずつ慎重に。
外したら長さ3〜4cmのリード線をコンデンサーの端子に半田付けする。



基板の裏から表へリード線が出るようコンデンサーを基板の裏へ接着する。



しっかり接着できたら、リード線を適当な長さに切りコンデンサーが元あったところのパターンへ半田付けする。コンデンサーの黒色側の端子を元の黒色側のパターンへ間違わぬよう。




2列に並んでいるコネクターの間にマイナスドライバーを差し込み両コネクターを反対側に横倒しにする。少々強引だが思い切ってやってみる。



基板の反対側の白いコネクターの白いプラスチックを抜き取る。無理矢理な事はこれで終わり。何事も、手間をかけずに目的を達成すれば上等という安易な考えで生きてきましたので時々はサーカスをやります。お付き合いお願いします。




ここでCCD基板の改造による不具合が発生していないかテストをする。節目節目でテストをして問題点があればその時点でクリアーしておくと、最終くみたてを終えたときに動かない場合に問題点を特定しやすい。
 最初、私は接続ミスや改造ミスなどでつまずきまくって結局S-620を2台パーにして合計3台ヤフオクで落とすはめになりました。お気を付けください。

全部の基板等を写真のように接続する。写真はすべてPCにUSB接続したWEBカメラで撮っていますので画質が甘いですがご容赦のほどを・・・。
LEDの並んだバーはCCDを照らすようにCCD基板の上部5〜10cmに置く。
CCD基板の白いプラスチックは抜いてしまって無いのでコネクターを差すときは逆差しに注意してください。手前が青線向こう側が赤線。
白い紙に矢印を書いて示している光電スイッチの溝部に遮光用の厚めの黒い紙等を差し込んでおく。
ACアダプターを100VにつなぎEPSONSCANを起動する。
茶色のスイッチ基板の矢印のボタンがスキャナーの電源ボタンです。
電源ボタンONでモーターが少し動くのですかさず遮光紙を抜く、また、動くので遮光をする。数秒後、またモーターが動くので遮光紙を操作する。緑ランプが連続点灯すればOK.
巧く操作できず赤ランプが点灯してエラーになりがちだがそれでもOK.
巧く操作出来て緑ランプが連続点灯すればEPSONSCANでプレビユーしてみる。プレビユー画面になにか表示されればここまでの作業はOK!です。
巧くプレビユー画面までいけなくてもモーターが動いていれば多分、大丈夫。次へ進んでも問題ないと思います。
くれぐれもケーブル類の差し間違いをしないよう慎重に。(間違うと電源ON、一瞬で壊れます。)

メカから製作開始。

<モーターの改造。>

モーターに付いている軸を1本根元からへし折るように取っ払う。
思い切りよくやる。
写真をよく見て軸を間違わないように。



モーター取り付け時にケース底面へ当たるので下へ曲がっている部分を少し上へ曲げる。



ギアーの下部と真鍮色の軸受けの間へドライバーを打ち込んでギアーを抜く。



抜けた。



ベベルギア―の穴へ接着剤をごく少量着けて圧入する。



<ウオームギアを組む>

ウオームブラケットの穴へつば付きブッシュGFM−0304−03
を鍔を内側にして挿入する。
ウオームギアの穴へセットビスの反対側からブッシュBB30507を2個挿入する。



φ3mmの軸を通して軸の先端にベベルギアを取り付ける。軸はφ3mmの太さの物を日曜大工センター等で入手してください。私はφ3mmの真鍮パイプが手元に有ったのでとりあえずそれを使いました。



ベルト駆動部の様子。



ベルト駆動軸取付板、及びモーターにケガキをいれる。



駆動軸HCCG5-16-TC2.5をベルト駆動軸取付板に接着する。軸には防錆の為、油が塗られているのでシンナーまたはアルコール等で拭い、油分をよく落としてエポキシ系接着剤で強固に接着する。



ウオームギアを組んだ物をモーター板のケガキに合わせて接着する。この時、ベベルギア同士がガタなく軽く動くよう調整して接着する。




ウオームホイルとモーターに組付けられていたギア3個のうちの一番大きいギア。これらを機械加工図面にあるように旋盤加工をするので、こちらへ送ってください。




ベルト駆動軸接着済




ウオームブラケット接着済

この後、ウオームホイルの加工が終わって返ってきたら、ベルト駆動軸へウオームホイルを組み込みベルト駆動軸取付板をモーターへ接着します。機械加工図ではモーターへ取付穴をあけてビス止めの心算でしたが、モーターへ軸取付板を固着してしまってもウオームをバラせばウオームホイルもバラせるので、ここは加工を簡略化の為、穴開けは省略して接着構造とします。その代わり、接着は金属でも接着可能な接着剤で確実に固定してください。



本体ケースの内側矢印部、四隅を接着する。接着剤が乾いたら黒く塗って遮光する。この部分は本来は溶接すべきなのだがコストと鉄工所への持ち込みが面倒なので接着する。強度的には何ら問題はない。

RB67用のスキャナバック

プレート部品が申込みされた方には届いたようなので本格的に製作に取り掛かる前にMAMIYA RB67用のスキャナバックをお見せします。9年以上前に作ったものですが、RZ67用とは本体ケースの深さが変わるだけで他の部分は殆ど同じですので参考になると思います。やっつけ仕事なので公開するのはとても恥ずかしいのですが・・・・・。






スキャナーをバラす。

プレート部品の発注がまだ出来ないので、スキャナ―をバラして必要な部品を取り出しましょう。
 
ヒンジ部の2本のねじを外して上下に分ける。
ねじを取ってヒンジ部を持ち上げると少し上下に隙間ができますが、その隙間に少しづつ小型のマイナスドライバーを差し込んでバラして下さい。



上下二つに分けました。



ベルトのテンションローラーを外す。



モーターおよび制御部を外す。



フラットケーブルを抜く前に必ず、合いマークを書き込んでおく。
フラットケーブルの誤挿入による事故を防ぐため。これ、とても大切です。
フラットケーブルを再度差すとき、裏表を間違えて挿し、電源ONで一瞬にして部品が壊れたことがあります。




参照光のLED基板を外す。細長いヤツです。



外しにくいので基板を止めている個所のプラスチックを壊す。



両端とも壊して外す。



取り出しました。フラットケーブルを押さえているプラスチック片はむしり取る。所々、粘着しているので剥がすときは慎重に。



フラットケーブルとソケットに合いマークを記入。



ねじを2本取ってCCD基板を取り出す。



忘れずに会いマークを記入。



必要な部品はこれだけです。

購入品リスト

念の為、購入品リストをUPします。

WRBF10−6−3 4個 ゴムワッシャ
HCCG5−16−TC2.5 1個 ウオーム軸
SS−5GL2-F 1個 スイッチ
FWRBA−D8−V2−T10 2個 ゴムワッシャ
NK02−17−1−100 2個 薄型リニアガイド
GFM−0304−03 2個 フランジ型軸受け
BB30507 2個 BBブッシュ
DG0.5−60R1 1個 ウオームホイル
SW0.5−R1 1個 ウオームギア
DM0.5−20 2個 ベベルギア

全てMISUMIで販売しています。 

ポラバックのカメラ取付部を取り出す。

製作の第一歩として先ずポラバックをばらします。

カメラ取付面のビスを全部外す。


3本のビスをゆるめてロックレバーを外す。

フィルム感度表示部は不要です。


この部品を外すと下からビスが出てきます。このビスも外す。

このカメラ取付部を流用します。


ロックレバーが取り付けられていたリングの下に3本ビスがあります。
リングが邪魔をしてビスをゆるめませんが、リングには1か所切り欠きがあります。
その切り欠きをビスの上まで回してくるとビスが外せます。
ビスは全部で8本。全部外してください。

フイルム感度表示部以外は無くさないよう保存していてください。